篠田桃紅の白と黒

               

篠田桃紅(1913年〜)墨の美術家

関市立篠田桃紅美術空間(直通 0575−23−7756)



いつもながら、碁石を握るときに、「白と黒」について、
諸々の思考を巡らす。

前に、高野エッセイで、「今、白色黒光をこう考えた・・・。」と、
白色白光(白と黒論)を識したことがある。

                                  高野圭介

 本来、白は白無垢、白妙。黒は黒星、黒幕と
それぞれ「潔白」「よろしくない」の意を含畜しており、

「黒白をつける」は勝ち負け、ないし、善し悪しの決着のことになる。

「白と黒とのモノトーン。
白黒は無彩色であって色ではない」とか、
「世界のありと有る色を混ぜ合わしたら灰色になる。
その灰色は一面、白と黒を混ぜて出来る色だ」とも。

「しかも白黒共に常に反対色を伴うという特色を持っている」など
思いを馳せる。

高野エッセイ(No.13)白色白光 より抜粋


           


それが、朝日新聞コラム(2008.feb.2)より
篠田桃紅の感性と作品に魅せられることになり、
篠田桃紅の「黒」と「白」論に感じ入っています。

いつの日か、訊ねてみたい・・・と思っています。

アクセス・・・名古屋から高速バスで1時間半


                 

抽象美術家
篠田桃紅の作品は既成の書道にとらわれない
墨を使った抽象芸術へと移行していきます。

墨を使った抽象美術家としていち早く国際的に高い評価を受けた
日本人芸術家の1人となりました。

桃紅は90歳を過ぎた現在も国内外において個展を開催し、
精力的に創作活動をおこなっています


篠田桃紅と
「朱」


桃紅は女学校時代の習字の時間に、
自分が墨で書いた文字を先生が
朱書きで正すのを見て、
その墨と朱の織りなす諧調を美しいと思うような少女だったといいます。

長じて書家となった桃紅は墨と向かい合い、
そのきびしさに思うにまかせぬときどき、
朱の存在は桃紅にしばしの安らぎを与えてきたのです。


          


篠田桃紅の
「黒」と「白」


「黒」は真っ黒の一歩手前。明るさのある黒、
            沈静であって、死でない。
「白」もまた欠かせない色のひとつです。


白い和紙をのべて墨の線を引けば、
余白の白は新たな表情を帯び、
また墨は白の清冽さを無言のうちに示します。

桃紅の「白」は、空間を生みだし、また光となって作品を彩ります。